技 術 technology

FRCとは、劣化した鋼管やRC「鉄筋コンクリート」を容易に修復する繊維系材料で繊維の緊張力とコンクリートの圧縮力の複合材料です。
FRC「fiber reinforced concrete」繊維強化コンクリートといいます。

FRCにはFRC袋状材料とFRC板状材料の2種類があります。

FRC袋材は鋼管やコンクリート柱の内部から修復する材料です。

既存の鋼管や電柱等の修繕において、鋼管の場合は「鋼板あて板補強工法」で、電柱等のコンクリートポールの場合は「補強鉄筋コンクリート工法」で対応していました。これらの現場向けに鋼管や電柱の中空部にFRCを挿入して耐力を回復する材料が考案され、これは中空部を有する構造の修復を可能とします。また、高密度ポリエチレン繊維が使われ、施工時の耐屈曲性・耐摩耗性に優れ、無劣化・高強度・高弾性・絶縁性で厳しい環境下で十分な強度と耐久性を発揮する材料です。



FRC板状材はコンクリートの表層からスリット状に埋め込むことで鉄筋に替わる材料です。


鉄筋コンクリートの修繕において、炭素繊維シート貼り補強工で担保できない大きな耐力は、補強鉄筋によるコンクリート増し厚工法、鋼板巻き立て工法で対応していました。また、既存工法はコンクリート工、モルタル吹付工、型枠工、アンカー工など多工程となり現場の負担となっていました。新技術はコンクリート表層にFRC板状材を写真の様に差し込むだけで鉄筋同等の耐力をビルなどのRC構造に付与する鉄筋に替わる配筋材です。また、コンクリート”かぶり”に差し込む工法により鉄筋を傷めずに、耐火性も同時に得る修繕が可能となりました。シンプルな施工は工期を1/3~1/10にまで短縮します。また、従来だと100㎡の補修面積辺り10トン以上の死荷重が増え、体積も5m3以上増加しますが、FRCは死荷重も体積もゼロとなりほぼ全てのRCの修繕が可能です。また、従来の繊維シート張はコンクリート表面が隠れる欠点があるが、FRCは表面の目視が可能なのでは維持管理も安心です。このコンクリートに埋まる構造は旧コンクリートの剥落(はく落)を防止すると同時にFRCは硬いコンクリートに保護されるから、厳しい自然環境に於いてもメンテナンスが不要となり、安全性と経済性を両立することができます。